最新情報法人設立する場合の登記手順について解説

法人設立する場合の登記手順について解説

法人設立の中でも、今回株式会社の設立について解説していきたいと思います。法人化には様々な準備をすることや、手続きがあります。「届出や手続きはどんなのがあるのだろう?」「書類はどんなものが必要なのだろう?」そんな疑問を解決していきたいと思います。

法人設立する場合の登記手順について解説

 

株式会社設立のメリット

まずここでは、法人化する時の代表的なメリットを紹介いたします。

法人設立する場合の登記手順について解説

1.信用度が上がる

個人事業主として事業を行うより、法人化して登記をすることで社会的信用度があがります。取引先の企業や、融資などの借り入れもできる可能性が高まり、資金調達がしやすくなります。

 

2.節税対策が可能になる

個人事業として、利益を所得として受け取った場合、課税所得が900万円を越えると税率が33%~最高で45%になります。一方法人の場合は、最大でも23%程です。一般的に個人事業主の課税所得が 330万円を超えてくるところがタイミングとされています。経費の申請、赤字の繰り越し、消費税の免除など法人化することで調整をすることが可能です。

ほかにも、業務が忙しい時期を避けて「決算月を決められる」ことや、個人保証による借り入れを除いて、責任の上限が出資金の範囲内になる「有限責任」になることもメリットといえるでしょう。

 

法人設立の手順について

法人設立する場合の登記手順について解説

法人設立には、手順と流れについてみていきましょう。おおよその流れは以下の通りです。

STEP1.会社概要を決定する

STEP2.定款の作成をし、認証を受ける

STEP3.資本金(出資金)の払い込みをする

STEP4.登記申請書類を作成する

STEP5.法務局で申請し、会社設立登記をする

では、それぞれの手続きや方法について具体的にみていきましょう。

 

STEP1.会社の概要を決定する

会社の基本である「会社の概要や基本事項」を決定します。定款に記載する内容になるためしっかり確認して進めていきましょう。

必要な項目は以下の通りです。

・会社の目的や事業内容
・商号(社名)
・ 本店の所在地
・資本金の額
・発起人(出資者)や各発起人の出資額
・株主に関する情報
・公告の方法
・事業年度(会計年度)
・役員の構成や報酬額など

ちなみに、登記申請と同時に会社の「代表印」を提出する必要がありますので、申請までに作成しておきましょう。代表者印(実印)、銀行印、角印、あとはあると便利なゴム印でしょう。

 

STEP2.定款を作成し、認証を受ける

定款」とは会社の運営ルールをまとめたものです。「会社の憲法」とも言われています。定款には「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」があります。「絶対的記載事項」は必ず記載が必要な事項です。以下の5つです。

・商号(社名)
・目的(会社の事業目的)
・本店所在地(会社の住所のうち、最小行政区画まで)
・設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
・発起人の氏名及び住所

絶対事項ではないですが、株式会社の成立時までに定める必要がある「発行可能株式総数株式会社がどれだけの株式を発行することができるか」については、定款の絶対的記載事項に準ずるものであるといえます。

この「絶対的事項」だけを決めて会社を設立するのは現実的ではありません。「相対的記載事項」や「任意的記載事項」の中からも必要な事項を取り入れて定款を作成していきましょう。

定款作成後は、株式会社の場合、公証役場で証明を受けます。これを「定款の認証」といいます。定款の認証を受けてようやく定款の完成です。

 

STEP3.資本金(出資金)の払い込みをする

 

会社設立登記が完了してからしか、会社の銀行口座はまだ作れません。そのため、資本金の払い込みは、発起人や取締役の銀行口座に振り込みます。資本金が確定している場合は、定款の前に払い込みをすることも可能ですが、通常は定款が認証された後で行います。会社法では資本金の下限がないため1円からでも申請可能です。しかし資本金は最低限、初期費用と運転資金3ヶ月分を足した金額程度を用意しておくことをおすすめしています。

登記申請の際に、資本金の振り込みを証明する書類が必要になりますので、通帳の表紙と1ページ目、振込内容が記載されているページのコピーを準備しておきましょう。

 

STEP4.登記申請書類を作成する

定款承認後、登記申請に向けて、申請書類を作成します。会社のタイプによって違いますが、株式会社においては一般的に下記の書類が必要です。

 

登記申請書
 ・・・会社名(商号)や本店所在地、登録免許税の金額や添付書類の一覧などを記載する書類

登録免許税の収入印紙の貼付け台紙
 ・・・登記申請の際に納める収入印紙を、A4のコピー用紙などに貼付。

定款
 ・・・紙または電子定款。紙の場合は収入印紙代(4万円)が必要。

取締役の就任承諾書
 ・・・役職名を記載し、取締役として就任を承諾した旨を証明する書類

払い込みを証する書面
 ・・・定款に記した資本金を証明する書類。通帳のコピー(通帳の表紙・1ページ目・振込が記帳されたページ)を払込証明書に添付。

印鑑届書
 ・・・会社の印鑑(実印)を登録するための書類

 

必要になる書類は、登記内容によって変わります。詳しくは法務局の登記相談窓口の利用や、法務局のサイトを確認する、または当事務所にご相談ください。

[参考:商業・法人登記申請手続:法務局]

 

STEP5.法務局で申請し、会社設立登記をする

資本金の払い込み後、2週間以内に代表取締役が登記申請を行います。本店所在地を管轄する法務局に申請をします。司法書士などの代理人によって行うことも可能ですが、代理人の場合は委任状が必要になります。法人登記の申請を行った日が、会社の設立日となります。

 

登記申請後、不備がなければ1週間から10日程度で登記が完了し、「法人設立」となります。

 

法人設立に必要な費用はいくら?

会社設立にかかる費用は性質上、次の2つに分けられます。これは株式会社も合同会社も同じです。専門家(司法書士)などに依頼する場合はこれら2つと報酬代となります。

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定款認証代・印紙代(公証人手数料、印紙代、謄本代)

公証人手数料令35条により、定款の認証にかかる費用は資本金の額によって異なりますが、30,000円~50,000円です。同時に、登記時に必要な定款の謄本を作成します。謄本は1ページ250円で、平均1冊1,000円程度で(2冊で2,000円程度)です。

※謄本は通常、登記申請用・保管用の合計2冊必要になります。

 

さらに、印紙代40,000円が必要となりますが、電子認証の場合は印紙代が必要ありません。

 

参考:e-GOV 法令検索[公証人手数料令]

(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=405CO0000000224)

なお、2022年1月1日から定款の認証にかかる手数料が以下に変更されました。

・資本金100万円未満:30,000円

・資本金100万円以上300万円未満:40,000円

・資本金300万円以上:50,000円

 

会社設立後に必要な手続きとは?

各種届出など会社設立後に必要な手続きを確認しましょう。

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会社の口座開設

会社設立後に「会社名義の口座」を開設します。会社の登記簿謄本などが必要になりますから、事前に各金融機関で必要書類を確認しておきましょう。一般的には以下の通りです。

・会社の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
・定款
・会社印
・代表者の印鑑証明書
・代表者の実印
・代表者の身分証明書
・事業内容がわかる資料

 

税務署・都道府県税事務所・市区町村役場へ法人設立届出

法人設立後、2ヶ月以内に法人設立届出書を税務署・都道府県税事務所・市区町村役場へ提出する必要があります。また、同時に青色申告承認書も提出するのが良いでしょう。

 

従業員を雇う場合は、社会保険などの環境整備

社会保険や健康保険、労災保険、雇用保険など、従業員がいる場合は各種の保険への加入が必要となります。社会保険事務所やハローワークなどへ各種届出が必要になります。

 

まとめ

会社設立の流れのご参考になりましたでしょうか?流れを知り、事前準備をしっかりすることで、効率よく手続きがすすめられるでしょう。

法人設立はご自身でも書類の準備が整えば経験にもなるかもしれませんね。しかし、書類の準備は想像以上に手間のかかる作業ですので、ぜひ一度ご相談しみてくださいね。

また今回は「株式会社」を主にご説明いたしましたが、当事務所では「合同会社」「一般社団法人」「財団法人」などの設立もサポート可能です。設立に関してご不明な点等ございましたら、お気軽にご連絡いただければと思います。

池田司法書士事務所
〒515-0321 三重県多気郡明和町斎宮3793番地9
TEL:0596-72-8595
URL:https://ikeda-legal.jp/

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