最新情報親が認知症になったら、お金の管理どうすればいい?

親が認知症になったら、お金の管理どうすればいい?

親が認知症かも・・・と感じたら介護の問題はもちろん、お金の問題が起こってきます。自らお金の管理を行うことが難しくなり、思わぬ金銭トラブルに巻き込まれていまう可能性があります。このような事態を防ぐために、成年後見人制度などを利用して、認知症患者ご本人やご家族が生活に困ることがないように対処していきましょう。

成年後見制度には、「法定後見」と「任意後見」の2つに分かれますが、この記事では、「法定後見」について解説します。

認知症でありがちなお金にまつわるトラブル

認知症の進行によって、お金の管理が困難になることがあります。家族や関係者が手伝うこともできますが、時にはトラブルが起こることも。認知症でありがちなお金にまつわるトラブルとはどのようなものがあるのでしょうか?

トラブル❶ 詐欺の被害に遭遇しやすくなる

● 被害者支援団体や宗教法人への寄付を行うこと

● 高額な投資商品への投資を行うこと

● ゴールド・ペンダント・宝石など高額な貴金属を買ってしまうこと

など、認知症になると、自己判断力や記憶力が低下し、詐欺被害に遭遇しやすくなります。架空請求や偽の商品販売、口座振り込み詐欺など、様々な手法で狙われることがあります。また、認知症の人は社交性があるため、見知らぬ人と話をすることが多く、その中には悪意を持った詐欺師も潜んでいます。身近な人や家族と相談しながら、詐欺被害に遭わないように注意することが大切です。

トラブル❷ 金銭管理が上手にできなくなる

● 買い物代金の支払いを忘れる

● 請求書の支払いを忘れる

● 大金を持ち歩くことで盗難被害に遭う

● 年金支給と同時に使い切ってしまう

● 家計に必要なお金も使い込んでしまう

● 高額な商品を購入する

など、認知症になると、金銭管理能力が低下し、お金の扱いに問題が生じることがあります。家計簿をつけることが難しくなり、買い物や支払いの判断が誤ったり、重複してしまったりすることがあります。また、財布を紛失したり、勘定を合わせることができなかったりすることもあります。

トラブル❸ お金を「盗られた」物盗られ妄想が起こりやすくなる

物盗られ妄想とは、認知症の一種である「妄想型認知症」と呼ばれる症状のひとつです。この症状は、本人が自分の物が盗まれたと感じたり、自分のまわりにいる人が自分のものを盗もうとしていると信じたりすることを指します。

物盗られ妄想は、認知症の進行に伴って起こることが多く、周囲の人が本人の気持ちを理解し、対応することが大切です。ただし、妄想型認知症には、他にもさまざまな症状があるため、医師や専門家に相談することが望ましいです。

トラブル❹ 銀行口座が凍結され、介護の費用などを引き出せなくなる

認知症などで判断能力が低下した場合、本人の財産や身元を保護するために成年後見制度の申し立てが必要となる場合があります。しかし、申し立てを行うまでに時間がかかる場合や手続きが正しく行われなかった場合、銀行口座が凍結され、介護の費用などを引き出せなくなることがあります。そのため、申し立てを行う際には、必要な書類や手続きを正確に行うことが重要です。また、司法書士や弁護士などの専門家の助言を受けることで、スムーズな申し立てを行うことが可能です。

成年後見制度とはなにか?

親が認知症になったら、お金の管理どうすればいい?

成年後見制度は、精神障害、身体障害、高齢等の理由で、法律上の意思表示が困難な人(被成年後見人)に対し、裁判所が後見人を選任し、その人の財産や身上を保護する制度です。認知症の進行によって、判断力や意思決定能力が低下し、生活面での支援が必要となる場合に、家族やその他の関係者が成年後見制度の申し立てを行うことがあります。

後見制度によって、裁判所が選任した後見人が本人の財産や身上を管理し、本人の利益を最大限に守りながら、生活面での支援を行うことができます。

具体的には、後見人は、被後見人の銀行口座を管理したり、預貯金や有価証券などの資産を管理したりします。また、必要に応じて、不動産の管理や売却手続き、税金や保険料の支払いなども行います。

ただし、後見人は、被後見人の同意を得ていない場合、重要な契約や取引を行うことはできません。後見人は、被後見人の利益を最大限に守りながら、適切な財産管理を行うことが求められます。ただし、成年後見制度の申し立てには、一定の手続きや費用が必要となります。

司法書士による成年後見制度の申請方法

司法書士は、成年後見制度の申請から後見人の選任まで、全体の手続きをサポートすることができます。

司法書士による成年後見制度の申請手順

手続きには多くの書類や手順が必要ですが、司法書士が適切に案内してくれるので、安心して申請することができます。以下は申請手順です。

① 司法書士に相談

まず司法書士に相談しましょう。司法書士は専門的な知識や経験を持っており、手続きの流れや必要書類などを説明いたします。

② 被後見人の状況確認

司法書士は、被後見人の状況を確認するために面談を行います。被後見人の判断能力や財産状況を調べ、申立書の作成に必要な情報を収集します。

③ 申立書の作成 

申立書は、被後見人の状況や後見人の候補などを記載する書類です。司法書士は被後見人の状況に応じた申立書を作成し、被後見人や家族に確認を取ります。

成年後見制度の申立てができるのは、本人、配偶者、4親等内の親族、検察官等です。4親等内の親族には、一般的に交流のある親類は含まれていることがほとんどです。

④ 裁判所への申請

申立書が完成したら、司法書士は裁判所に申請します。裁判所は、被後見人の状況や後見人の適性を調査した上で、後見人の選任を決定します。

⑤ 後見人の指定と就任

裁判所が後見人を選任すると、後見人は被後見人の財産や身上を管理するために就任します。就任後は、毎年報告書を提出するなど、定期的に裁判所に報告する必要があります。

 

成年後見制度の申請に必要な書類や費用

申立書や意見書は、家庭裁判所で配布されているものを使用するか、自身で作成することができます。診断書については、主治医や精神保健福祉センター等で取得することができます。

【必要な書類】

● 申立書類 ● 本人情報シート

● 本人の健康状態に関する資料

● 診断書関係

● 戸籍謄本 ●住民票又は戸籍附票

● 本人について成年後見等の登記が既にされていないことの証明書

【必要な費用】

申立手数料及び後見登記手数料:収入印紙 3400円分(内訳:800円分+2600円分)

診断書交付請求手数料:費用は病院ごとに異なります(数千円程)

送達・送付費用(切手代):後見申立て 3270円分 (内訳:500円×3,100円×5,84円×10, 63円×4,20円×5,10円×6,5円×2,1円×8)

引用:https://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/kokensite/hiyou/index.html

住民票:数百円/部

戸籍抄本:数百円/部

登記されていないことの証明書発行手数料:収入印紙 300円

● 後見開始決定後に発生する費用(鑑定費用※、後見人報酬や保険料、税金等)

● 司法書士費用:初回相談無料、申し立て依頼の場合は99,000円~

※本人の判断能力がどの程度あるかを医学的に判定する手続を「鑑定」といいます。
申立時に提出していただく診断書とは別に,裁判所が医師に依頼する形で行われる もので,10万円~20万円程度の費用が必要となります。
ただし,申立時に納める必要はありません。裁判所が審理を進め,鑑定が必要と判断した場合には,納める必要がある費用です。
審判で本人負担とされた場合は,本人財産から精算できます。

引用:裁判所「申立てにかかる費用・後見人等の報酬について 東京家庭裁判所後見センター」
https://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/kokensite/hiyou/index.html

成年後見人の役割と責任

成年後見制度において、成年後見人は被成年後見人の財産や身上を管理する責任があります。役割としては、被成年後見人の健康や生活を支援し、必要な手続きを行い、財産の管理や家計の管理を行います。また、被成年後見人の意思を尊重し、最大限の利益を追求することが求められます。一方で、不適切な管理や不正行為などは法的責任を問われることがあります。そのため、適切な管理を行うことが求められます。

成年後見人が行うこと、行ってはいけないこと

成年後見人が行うことや、行ってはいけないことは、法律によって定められています。成年後見人が行うこと、行ってはいけないことには、以下のようなものがあります。

成年後見人に行うこと

● 被後見人の財産管理

● 被後見人の生活支援

● 被後見人の医療行為の同意など

成年後見人に行ってはいけないこと

● 被後見人の意思を尊重しない行為

● 被後見人に対する暴力・虐待行為

● 被後見人の財産を横領する行為

まとめ:認知症になった親のお金管理には司法書士の専門知識が必要

認知症になった親のお金管理には、成年後見制度を利用することが有効です。しかし、成年後見制度の申請や手続きには、一定の知識と経験が必要となります。そのため、司法書士の専門知識を活用することが大切です。

司法書士は、成年後見制度の申請から手続きまでをサポートし、お金管理のトラブルを未然に防ぎます。また、適切なアドバイスを提供し、お金を守りながら親の生活を支えることができます。親の認知症に不安を感じる方は、早めに司法書士に相談することをおすすめします。お気軽にお問合せください。

池田司法書士事務所
〒515-0321 三重県多気郡明和町斎宮3793番地9
TEL:0596-72-8595
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